この度 rin art association は山谷佑介による個展「Doors」を開催いたします。
山谷佑介は2013 年に自身を取り巻くユースカルチャーを激しく、刹那に記録した自費出版の写真集「Tsugi no yoru e」でデビューして以来、写真家として活動しています。
今展「Doors」は2018 年に発表以来、継続的に行われているパフォーマンス作品になります。
そのパフォーマンスは自身が10 代の時から演奏しているドラムを用いて行われ、山谷が独自に開発した装置により、山谷の演奏するスティックがドラムヘッドに接着する振動に合わせてセンサーが反応し、ドラムの前に複数台置かれているカメラのシャッターが切られ、暗闇の中、無数のフラッシュが焚かれながらの撮影行為がライブで行われていきます。
写真のイメージに記録されるのは一心不乱にドラム演奏を行う作者のセルフポートレートと参加する鑑賞者で、それらは傍らに複数台設置されたプリンターから連続的に出力されることで、さらにインタラクティブに場に一体感をもたらします。今回の「Doors」は2022 年に東京都写真美術館で発表して以来2 年ぶりとなり、山谷は制作活動を続ける限りこのパフォーマンスを自身が高齢になっても継続したいと語ります。暗闇の中、無数に光るフラッシュは真実を探すまなざしであり、そこにはいつの時代も変わることなく、もがくように真理へのアプローチを行う山谷の姿があり、それを記録( 記憶) することで、この行為に新たな時間が加えられていきます。
※展覧会初日にパフォーマンスが行われ、その後はその痕跡として完成した作品の展示を行う展覧会になります。