この度はrin art association では高山夏希による個展「堆く、石走りて」を開催いたします。
高山夏希の絵画制作は重層的に幾重にも注射器を用いて描かれた色彩や、彫刻刀で繊細に削り落としながら、内包された未知なる色彩を探し出すように行われます(触覚的あるいは彫刻的とも言える手法を用いて現代の中で薄れてしまっている人・動物・モノ・環境などが一体性を持った世界観が生まれます)。その背景には情報メディアや電子機器の発達より、様々ものが断絶された状態にあるこの世界に対し、失われる以前の人間とそれ以外の物体との有効な関係を取り戻したいとの彼女の強い思いがあります。
今展は寒水石を用いて、分解と混合を繰り返しながら変容する素材との対話を重ね、丹念に作られた岩肌のような自然を想起させる肌理を有した絵画作品と、それに呼応するような地層の断片から創造した近年取り組んでいるセラミック作品で構成されます。
接続することの意義性を問いかける高山夏希の作品をこの機会にご高覧いただけたら幸いです。