rin art association MAEBASHIは、鬼頭健吾と岡本健彦による二人展「revise」を開催します。高崎を拠点に異なる時代に活躍するふたりのアーティストによる本展は、二人の制作を通じて、歴史的な遺産と革新の交差における深い共鳴を描き出していきます。
岡本健彦(1934-2016)の作品は、シャープな輪郭によって抽出された形と色彩に特徴づけられます。西洋モダニズムの響きを深く感じさせる作品群は、岡本がニューヨークに渡った1960年代の幾何学的な抽象やハードエッジの色面に影響を受け、美術史への深い洞察を宿しています。展示作となる《風神・雷神》(1998年)では、こうした抽象絵画の特性を独自の手法で解体し、型紙のパターンを用いたモチーフの反復や金箔や鉛などメタリックな属性をもつ琳派の造形的意匠に対置しています。
鬼頭健吾(1977-)もまた、ニューヨークやベルリンに滞在し、国際的な影響を吸収したアーティストのひとりです。田中敦子をはじめ「具体」作家の造詣も深く、チューブから絞り出した絵具とラメに施された絵画で一貫した制作を続けながら、フラフープ、スカーフ、鏡などの日常にありふれた既製品の使用を通じて、空間概念を更新する多様な実践に取り組んできました。初公開となる新作では、岡本健彦による解体の手さばきに応えるかのように、日常的なアイテムから抽出した形象が、抽象化した空間を構築していきます。
本展の底流をなすのは、二人のアーティスト間の密接な関係です。高崎にある岡本のアトリエは、現在は鬼頭によって引き継がれ使われています。本展では、この空間の共有が生む着想の連鎖によって、ふたりのアーティストの時を超えた共鳴が描き出されていきます。
rin art association MAEBASHI(まえばしガレリア Gallery2)