この度、アートオフィスシオバラ、小山登美夫ギャラリー、MAKI GALLERY 、rin art association は、管木志雄、
白川昌生、タムラサトル、ヴィック・ムニーズに よるグループ展「path-connected ( 孤状連結)」を開催します。
「弧状連結」とは位相幾何学の用語であり、ある空でない位相空間における任意の2 点について、それを繋ぐ道が存在す
ることを意味します。異なる時代に活躍するアーティスト4 人による本展は、かれらの概念的な構築と素材やメディアの
探求を結ぶ道筋を描き出すことを目的としています。
繰り返される現象の一周期のうち、ある特定の局面をさす「位相」は、管木志雄 (1944-) に重要な着想を与えました。
場に置かれた木材や石は、必然的に重力との関係性を生み、「もの」本来のの潜在的な性質を開いていきます。前橋に拠
点をおく白川昌生(1948-) もまた、安価で身近な素材を用いますが、強調されるの は地域の歴史や文化のマイナー性で
あり、社会的な文脈における芸術の役割で す。個人と社会の関係性を深く掘り下げながら、見過されがちな問いや批判
を投げかけます。
一方、タムラサトル(1972-) が制作のテーマとするのは、「意味の破壊と消滅」に あります。親しみとユーモアに満ちた
機械仕掛けのインスタレーションが、再帰的な磁場を生み出しながら、観客との関係性を育んでいきます。ナスカの地上
絵の ようなモノクローム写真は、ヴィック・ムニーズ(1961-) の《Earthworks》です。鉱物採掘によってむき出しになっ
た土壌に重機を用いて Google Earth で見えるほど大きく描かれた指差しマークは、刻一刻と進行する環境破壊や乱開発
に警鐘を鳴らしているかのようです。
本展は、現代アートの多様性とその無限の可能性を示すだけでなく、個々の アーティストが持つ独自の視点とアプロー
チがどのように交差し、新たな対話を 生み出すかを体現しています。それぞれのアーティストが描き出す「道」を辿り
ながら、概念と素材をめぐる力学とその魅力を発見していただけることでしょう。
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